『大人ニキビ』はなぜできる?原因や防ぎ方、正しいケアを紹介

『大人ニキビ』はなぜできる?原因や防ぎ方、正しいケアを紹介

20代以降にできる大人ニキビは、思春期にできるニキビとは別物です。
大人ニキビに悩まされる方は多いですが、正しいケアをしないと悪化するおそれがあります。
この記事では大人ニキビの原因や種類、防ぎ方、できたあとの対処法、間違ったセルフケアなども詳しく解説します。
正しいスキンケアを知ることで、大人ニキビを予防しましょう。

1. 大人ニキビとは?

20歳以降にできるニキビのことを、思春期にできるニキビとは区別して「大人ニキビ」といいます。
ニキビのできやすい部分や原因に違いがあるため、詳しく紹介します。

思春期のニキビとの違い

思春期にできるニキビは10代の頃にできるニキビで、成長期の過剰なホルモン分泌が主な原因となり多くの人が発症します。
ホルモンバランスの乱れにより皮脂量が多くなり、そこに細菌が増殖するために思春期ニキビは起こります。
数年経つとホルモンバランスが整うため、ニキビも落ち着くことが多いです。
一方、大人ニキビは成長期のホルモン分泌の急増が原因ではありません。

できやすい部位は?

思春期ニキビと大人ニキビには、できやすい部位に違いがあります。
思春期ニキビは、ホルモンバランスの乱れにより皮脂量が過剰になり起こるため、もともと皮脂の多い鼻や額など、いわゆるTゾーンにできやすいニキビです。
一方、大人ニキビはあごや頬などの口周り、首などにできやすいとされています。

大人ニキビは何歳からできやすい?

大人ニキビは思春期を過ぎて、成長期の終わる20歳過ぎからできやすくなる方が多いです。
一般的に思春期ニキビは10代前半からできはじめ、高校生の頃にできる方が多く、20歳頃に落ち着きます。

2. 大人ニキビの原因6つ

大人ニキビの原因は、思春期ニキビの原因であるホルモンバランスの乱れだけではなく、いくつかの原因が見込まれます。
ここでは、大人ニキビの原因を6つ紹介します。

【原因1】不適切な洗顔

一日に何回も顔を洗うような洗顔のし過ぎなど、不適切な洗顔は肌の乾燥を招きます。
肌が乾燥すると、乾燥を防ごうと皮脂が過剰に分泌され、角質のターンオーバーが乱れます。
これが原因となり肌のバリア機能が落ち、さらに乾燥したり角質がつまりやすい状態になったりします。
このように、不適切な洗顔は大人ニキビの原因となり得ます。

【原因2】乾燥や紫外線による刺激

肌が乾燥すると、肌を守るために皮脂が過剰に分泌されることにより毛穴がつまり、肌はニキビができやすい状態になります。
また、乾燥することで角質が硬化してしまい正常なターンオーバーが損なわれるため、肌のバリア機能も低下します。
バリア機能が低下した肌は、保湿成分を保つことが難しくなるため、さらに乾燥が進みます。
紫外線には皮脂を酸化、硬化させる働きがあるため、毛穴が皮脂でつまります。
紫外線を浴びることも、大人ニキビの原因のひとつです。

【原因3】不規則な生活、睡眠不足

不規則な生活が続いたり、睡眠不足になったりすると、代謝が下がりニキビが悪化します。
皮膚は眠っている間に再生や修復が行われるため、質のよい睡眠をとることが大切です。
昼過ぎまで寝ていたり、寝る直前までスマホなどを見続けたりせず、規則正しい生活を送ることで大人ニキビの原因を減らしましょう。

【原因4】食生活の乱れ

栄養が不足すると健康な皮膚が作られず、糖分や油分の多い食事に偏ると皮脂の分泌量が増えるなど、食生活の乱れはニキビができる原因の一つです。
ダイエットなどで必要な栄養やミネラルなどが不足することも肌荒れにつながり、結果ニキビができやすくなると見込まれます。

【原因5】ホルモンバランスの乱れ

生理前になると、大人ニキビができるという方もいます。
生理前に女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が過剰になることで、皮脂の分泌が増えます。
この結果、大人ニキビができるのです。
生理前ではなくても、ホルモンバランスが乱れることにより、正常なターンオーバーが行われなくなると大人ニキビができます。

【原因 6】過度なストレス

過度なストレスが与えられると、男性ホルモンの分泌を促すホルモンが産生されます。
ストレスは自律神経に影響を与え、その結果ホルモンバランスが乱れるため大人ニキビができやすい状態になります。
また、ストレスで免疫力が低下することや、無意識のうちにニキビを触ってしまうこともニキビが悪化する原因です。

3. 大人ニキビの種類

大人ニキビは、ニキビの症状により白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビの5種類に分けられます。
初期症状である白ニキビや黒ニキビのうちに、正しい対処を行うことが必要です。

白ニキビ

白ニキビとは角質肥厚などで毛穴がふさがれ、皮脂が毛穴内にたまることで起こります。
白色面皰めんぽうや閉鎖面皰めんぽうとも呼ばれます。白く膨らんで見えますが、炎症はまだ起きていません。
たまった皮脂は、アクネ菌の増えやすい環境にあります。
そのため放置するとアクネ菌が増殖し、それに対抗しようと免疫が働きます。
この結果、赤ニキビへと進行していきます。

黒ニキビ

黒ニキビとは毛穴に古い角質や皮脂がつまって毛穴がふさがれることで起きた白ニキビの皮脂が、溢れて毛穴が開いている状態のことを指します。
皮膚表面に見えている面皰めんぽうが酸化することで黒ずむため、黒色面疱めんぽうや開放面疱めんぽうとも呼ばれます。
白ニキビと同様に炎症は起きていないため、痛みはありません。
一方で黒ニキビは放置するとアクネ菌が増殖することで免疫機構が働き、その結果炎症が起こるため赤ニキビへと進行します。

赤ニキビ

赤ニキビとは、白ニキビや黒ニキビをそのまま放置することでできてしまうニキビです。
毛穴の中にたまった皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖すると、免疫が働き、炎症が引き起こされます。
このため、炎症性面疱めんぽうとも呼ばれます。
赤みや腫れがあり、また、治りにくく目立つため、できてしまうと治すことも大変です。
赤ニキビができてしまったら、早めに適切な処置をするとよいでしょう。

黄ニキビ

赤ニキビが悪化して、黄色い膿がたまった状態です。
化膿したこの状態では毛穴の中でアクネ菌だけではなく、黄色ブドウ球菌も増殖しています。
黄ニキビでは炎症が周囲の皮膚にまで広がるため、周りの皮膚組織が破壊されます。
炎症が真皮にまで達するとニキビ痕ができてしまうため、専門機関で適切な処置をしてもらう必要があります。
この黄ニキビは、膿疱性面疱のうほうせいめんぽうとも呼ばれます。

紫ニキビ

黄ニキビからさらに悪化した状態が紫ニキビです。
毛穴の周囲にまで炎症が進むことで周りの組織が破壊されており、修復するために血管が新生されています。
毛穴の内部には膿などの老廃物や血がたまっていることから、赤黒~紫色に見えるため、紫ニキビと呼ばれています。
この状態では痕が残ることが見込まれるため、セルフケアではなく速やかに専門家を受診することをおすすめします。

4. 大人ニキビ予防法は?正しい洗顔と保湿ケアで防ごう◎

ニキビには様々な原因がありますが、できてしまうと根治には時間がかかったり、痕が残ったりします。
このため、大人ニキビができる前の予防が重要です。
大人ニキビは乾燥によるものが大きいため、正しい洗顔や保湿ケアが大切ですが、ほかにもいくつか予防法があります。
正しいケア方法を具体的に解説します。

予防法1:正しい洗顔

不適切な洗顔は、大人ニキビの原因の一つです。
洗顔のし過ぎは、肌が乾燥して角質が肥大し、大人ニキビができやすい状態を引き起こします。
正しい洗顔は、潤いを保ちながら汚れを落とすことです。
1日2回の洗顔を基本とし、38度以下のぬるま湯で洗います。
摩擦は肌の乾燥の原因となるため、洗顔料をしっかりと泡立て、ホイップ状にしてから使用します。
その際も肌を優しく包み込むようにして洗いますが、洗いすぎには注意が必要です。20~30秒が最適です。
洗う際もTゾーンなど、皮脂の多い部分から泡を乗せることをおすすめします。
すすぎもぬるま湯で髪の生え際や顎、小鼻の際などフェイスラインもすすぎ残しに気をつけましょう。
最後にタオルで水気を取る際も、ごしごし擦らないようにします。

予防法2:肌を乾燥させないスキンケア

正しい洗顔のあとは、スキンケアで保湿をしっかり行います。
ニキビがあるからと、保湿を簡単に終えてしまうのは肌に悪いです。
保湿の際は、低刺激の化粧水を使用して、しっかりと保湿します。
そのときにコットンは使わず、手のひらでなじむようにハンドプレスするとしっかり保湿されます。
そのあと、乳液や美容液を使用します。
ニキビができにくい化粧品を使うのもおすすめです。
クリームも使って保湿しますが、ニキビがある部分には塗らず、肌の状態を確認して乾燥している部分に使います。

予防法3:毎日の紫外線対策

ニキビの予防には、紫外線対策も重要です。
紫外線はニキビを悪化させたり、角質を厚くしたりするため、ニキビが治りにくい状態になります。
すでにニキビができていると、日焼け止めを塗るとニキビによくないのではと思われる方もいますがニキビを悪化させる紫外線には、本来、一年中対策が必要です。
紫外線は天気に関わらず曇りの日でも降り注いでおり、室内にいても、窓ガラスを通過して紫外線を浴びているのです。
SPF35以上のものを、毎日塗るとよいでしょう。
ウォータープルーフなどの落としにくいものではなく、石鹸で落とせるような日焼け止めを使うと日々の肌への負担が軽減されます。

予防法4:皮脂バランスを整えるスキンケアアイテムを使う

皮脂が多すぎることは、大人ニキビの原因の一つですが、だからといって保湿や油分補給を控えるのは肌によくないスキンケアです。
乾燥することで角質が硬化し、大人ニキビの原因となるからです。
ニキビが気になる場合は、皮脂バランスを整えるようなニキビ専用のスキンケア用品を使うことをおすすめします。

予防法5:規則正しい生活、運動習慣

大人ニキビの予防に、規則正しい生活や運動習慣もあげられます。
質のよい睡眠をとると、肌の状態がよくなり、ニキビができにくくなるためです。
肌の新陳代謝を促す成長ホルモンが分泌されるのは、眠ってから3~4時間の深い睡眠の間です。
このため、深い眠りに入れるような生活を意識しましょう。
具体的には決まった時間に眠る、起きることを心がける、寝る直前に明るい光を浴びないなどです。
また、深い眠りに入るためには運動も必要です。
運動をすることで血液の流れがよくなり、酸素や栄養が運ばれます。
老廃物も排出されるため、肌の新陳代謝が活性化されます。
ストレスも解消されるため、運動習慣をつけることも大人ニキビの予防になるでしょう。

予防法6:バランスの取れた食事

脂質の摂りすぎは、皮脂が出やすい状態となってしまいます。
一方でダイエットによって栄養が偏ったり不足したりしても、肌の状態が悪化します。
タンパク質や野菜を摂ったり、サプリメントを活用したりして肌の調子を整え、大人ニキビの予防につとめましょう。

5. 大人ニキビができてしまったらどうする?

スキンケアをしていても、大人ニキビができてしまうことがあります。
初期段階の白ニキビができたことに気がついたら、早めの対処が有効です。
刺激の少ない洗顔料で洗い、ニキビ専用のスキンケア用品で保湿、油分補給をします。
患部を触らないことも大切です。

6. 大人ニキビの間違ったセルフケアとは?

初期段階であれば、セルフケアで大人ニキビの改善が可能です。
一方で、間違ったセルフケアをするとニキビは悪化してしまいます。
間違ったセルフケアについて詳しく解説します。

直接触る、潰す、膿を出してしまう

ニキビを直接触ったり、潰して膿を出してしまう方がいますが、それは皮膚を傷つけてしまっています。
潰したことでできた傷から細菌が入り込み、悪化するケースもありますので、ニキビのセルフケアでは、触らないようにしてください。

ニキビまわりを強く洗いすぎる

皮脂を取り除こうと、ニキビを強く洗う方がいます。
洗いすぎは必要な皮脂も取り除かれてしまい、乾燥につながります。
余分な皮脂の分泌が起こりニキビの原因となるため、強く洗いすぎないようにしましょう。

刺激が強すぎるスキンケア製品を使う

スキンケア用品でも刺激が強すぎるものは、肌に悪影響を与えます。
その刺激でニキビが悪化することも見込まれます。
ニキビのケアには、ニキビ用のスキンケア製品を使うことをおすすめします。

まとめ | 正しいスキンケアで大人ニキビを防ごう

大人ニキビの原因や防ぎ方について紹介しました。
大人ニキビはいくつか原因がありますが、ニキビ用の製品などで正しいケアをしていけば上手に付き合うことができます。
しかし痛みや腫れを伴うほど悪化した場合は間違ったセルフケアはせずに、病院で診察してもらうとよいでしょう。